歌川広重(うたがわ ひろしげ)
寛政九年(1797年)~安政五年(1858年)
― ゴッホが惚れ込んだ、風景版画の第一人者 ―
江戸八代州海岸(現在の千代田区丸の内付近)の火消の家に生まれ、十五歳で歌川富広の門下となる。
はじめは役者絵や美人画を描いていたもののあまりふるわなかった。しかし、北斎の「富嶽三十六景」の人気を受け、風景画が流行した1830年代に、広重は「東都名所」、「東海道五十三次」といった風景画の名品を発表し、人気絵師の地位を確立することとなった。
最晩年に手掛けた「名所江戸百景」は、情感あふれる江戸の四季折々の景観、独自の視点で生み出した大胆な構図など、広重の魅力が詰まった最高傑作と言われている。同作は、その大胆な構図と色彩にゴッホが魅了され、模写作品を残したことでも広く知られている。
また、広重の作品はゴッホだけではなく、モネをはじめとする西洋の印象派にも大きな影響を与え、江戸木版画の代表的な色である「藍」は、「広重ブルー」として西洋の人々に高く評価された。



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